Published: 2025年10月14日
31日目~。
オナニー過剰でエロ中毒のクソ非モテも、刻苦勉励して射精の誘惑に耐えて、そして30日を過ぎるころ、突然、
「○○くんて、なんか顔変わったよね!!」
と、職場の先輩(女)に言われたりする。
そう、顔が変わるのだ。早い人は14日を越した辺りから、顔が変わる。目が大きくなり、表情が引き締まる。
たいていの場合、『空気』から、『男』に変わったことに最初に気付いてくれるのは、女性だ。
しかも、生殖に適齢な時期の女性。2コ上の先輩とかね。
このステージの女性は、男のテストステロンを正しく嗅ぎ取る事が自分の遺伝子の複製に超大切な戦略となるは言うまでもない事で、そこにテストステロンがありさえすれば反射的に反応するのである。棒があったら入れたい、とはコレナリ。しかし、渡る世間にオナ猿ばかりの昨今、女の求める『棒』は、希少品である。
20台前半~中盤の若手の男子は、仕事となるとどうしてもベータにならざるを得ない。かわいい新人の男の子というやつだ。
また、初めての一人暮らしを開始して、やっと気ままに堂々と、心置きなくエロ動画観てオナニー出来るわ、と言う事情もあって、およそオナニー中毒になる。臓器としてのチンコは若く、男性ホルモンはたくさん製造出来るのに、血中では低値となる。
草食系男子とか、空気みたいなやつ、である。
女性たちは、これを視野にも入れない。どんな恋愛テクニックやナンパメソッドを学んでも、最低限のセックスアピールが無い男は、何やっても根本的に無理だと思う。
一方で、オナ禁している男側からすると、30日を過ぎる辺りというのはとにかく元気である。
朝から夜まで明るく前向き、気力が腹の底から渾渾と吹き出てくるような感覚。オナ猿だったころの「ダルい」とか「めんどい」とか、そう言う無気力の言葉が口癖だったのが、嘘のように快活な精神状態なる。
目は大きく開いて二重になり、眉頭は鋭角にキリリと締まり、顔のむくみは取れて、肌の調子もよい。
態度は落ち着いて、動作はゆっくりとし、表情は精悍、顔にはつやがある。
オナ猿の頃は、ドライアイで目がしょぼしょぼして糸目で、眉はハの字に垂れ下がり、口は開いて締まりがなく、平常時から負け犬の顔をしていたのが、オナ禁を経てぜんぜん変わっているぞ、と。
そして、考える事は、セックスしたいだ。生身の女の子を抱きたい。今までぜんぜんブスだと思っていた女が、とても魅力的に見えて、口説きたい気分になる。ストライクゾーンが広がる。
AVが大好きだった頃と、性欲の質が明確に変わる。
さてここで、職場なり、趣味なり、何らかの飲み会があったとする。隣に女の子(その2コ上の先輩など)が座っていたりと、女から寄ってくる現象が起こる。テストステロンあるところに女は集まるのである。自分から声掛けするのも勿論いい。
瓶ビールをお互いに注ぎ交わしながら、
「なんかサウザーくん、最近、別人みたいに男らしくなったよね!」
と言われたのは過去の僕に実際起こったことだ。僕はその瞬間の先輩の表情が、シンプルにすごくかわいいなと思った。先輩も機嫌よくお酒を飲んで、身体の距離を詰めて来ているのは明らかである。
しかし、当時、長い非モテ生活に苦しんでいた僕は、ここから何をすればいいか、有効な事がとんとわからなかったのだ。
「もしかして俺のこと好きなの?俺はやめといたほうがいいよ?」
と言うルーティーンも知らなかった。およそ僕に気があったであろうこの先輩と、結局セックスしてよい仲にはならず、女に恥をかかせたなあと反省している。ま、僕の勘違いだったとしても、口説いて違ったらごめんで済む。
思うに、テクニックが必要なのはこの辺のスタートラインを越えてからかな。まずはオナ禁ですかね。