Published: 2025年9月5日
事業者、経営者というのは負ける勝負はしない主義である。損な仕事は受けないし、物の判断に感情を入れる事もしない。算多きは勝ち、算少なきは負けるのである。甘い事をやっているとたちまち資本家の立場を追われ墜落する破目にになるからだ。
生き馬の目を抜く厳しい世界で、日々、真剣に生きている。
彼らが資本主義の豚とさげすまれるゆえんである。
僕が今まで述べて来た危険思想とはつまり、資本家と同じ損得勘定を持って、労働者の世渡りをしましょうよ、という事である。
知力も胆力も確かな資本家が、何かの弾みで労働者になったとしたら、やはりサビ残なんかしないはずである。職場の空気に流されて、何となく無償で働くなど、損得勘定に厳しい彼らにとってはあり得ない事だ。
だが、そんな生意気な奴を、雇うとしたらいかがなものか?
そりゃ雇う方は、嫌である。
なぜか?
得じゃないからだ。
決めるのはシビアな事業者だから、判断は原則として損得になる。
いかに能力が高くとも、資本家と同じマインドを持った労働者はたいへんに扱いづらい。
独立の気力は旺盛で、服従もしない、依存もしない、こちらが示す欲にも釣られず恐怖にも屈せず、ただ自分の信念だけに忠実なのである。
雇う側にとって、信念ほど邪魔なものは無い。
洗脳しにくいからだ。
労働者は純朴であるほどいい。
労働集約系の事業者にとって、サービス残業こそ富の源泉である事は何度も強調しておく。
嬉々として無償労働をしてくれる人間こそが、余剰のお金を稼いで、自分の懐を肥やしてくれる。これが是非とも採用したい社員だ。
ご主人様に逆らわず、明るく元気で、しかし独立心など欠片もなく、忠誠心があって、協調性があり、村社会の掟によく適応し、法律の知識は持たず、安定と常識を好み、心身が健康。
鬱病になったり身体壊す奴なんか、とんでもない。
いわば、頑丈な家畜のような人間が、雇うのに理想的という事になる。
とりわけ、サービス残業に嫌な顔をしない『自己犠牲の精神』は、最重要項目と考えて間違いない。
それを示すエピソードを用意することだ。
遠回しにそれとなく聴いてくる「サビ残OK?」の相手が最も関心がある事について、笑顔で「ハイ!頑張ります!(サビ残大好きです!)」と快活に返すことが出来ればよろしい。
僕は社会不適合のクズのくせに、実はほとんど面接で落ちたことが無い。
新卒や第二新卒の面接は、ポテンシャル採用という基準であるので、上に述べたことに留意するだけでかなり有利になるはずだ。
間違っても当ブログが述べているような、小理屈を並べてはいけない。その瞬間に不合格になる。