Published: 2026年3月2日
精子とかセックスの話が主流のこのブログに、こうも本格的なカネの質問が来るようになったのは意外な心持ちがするが、まあ僕の得意分野なのでお答えしようかな。
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こんにちは。
22歳、貯金300万、不動産初心者です。
いつもブログを楽しく読ませていただいております。
今回は不動産について質問させていただきたいことがあります。
当ブログにて不動産に興味を持ちました。
以前、サウザーさんの投資スタイルは300万円ほどのボロ戸建を買い、DIY(労働力)を投入し、生産設備を作るとありました。
となると、自分の勝手な想像ですが、サウザーさんのスタイルは、借金の力を借りて一棟ものや新築を買ってキャッシュフローを増やしていくというよりは、無借金でコツコツ自動収入をゆっくり増やすスタイルだと思われます。
投資スタイルは十人十色なのは承知しております。しかし、地元の投資家(田舎ではありますが、有名な方ばかり)のお話を聞くと、多くの方が一棟ものをローンで買う戦法を薦めてきます。
スキームとしては、積算評価が売値の2~3倍の物件をいくつか買う
↓
それらを担保でアパートを買う
です。
ボロ戸建てのデメリットとして成長が遅いのはわかりますが、私は無借金で手堅く攻めるという点に惹かれています。
また体育会出身、ゆるふわ企業勤務ということで労働力も有り余っています。万が一失敗したとしても、DIYで得たスキルは必ず役に立つと考えています。
今の私が悩んでいるのは、積算評価を気にすると、入居者が取れそうな物件も諦めなくてはならないということです。
サウザーさんがボロ戸建てに対する選定基準を教えていただけないでしょうか?
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さて、答えて行くか。
不動産に疎い読者の方は、何の事を言っているのか、チンプンカンプンであろう。
いい機会だから、この点なるべく分かりやすく説明したい。
かつての不動産賃貸業業界には、多くの流派たちが存在して、
「俺のスタイルが強え」
「いや、俺のほうが強え」
と、喧嘩商売(※マンガ、木多康昭)よろしく殴り合う、百家争鳴の戦国時代があった訳だ。
まだサラリーマン大家という生き物自体が希少で、大家業界は未成熟であり、誰もが好き勝手言ってる諸子百家時代であったから、たとえば、僕がクソ馬鹿にしてるワンルームマンション投資とかも一つの確立した流派として勢力を誇っていられた、そんな牧歌的な時代でもあったんである。
時代は下り、大家業界も成熟期の波に洗われる。
資本主義の面白いところは、合理的なスタイルだけが生き残り、非合理な方法はあっと言う間に淘汰・駆逐される事だ。
口で「俺が強え!」といくら吠えても、結局は大家どうしは商売敵としてぶつかり合う運命であって、ぶつかった時に勝つのはいつも合理的な経営手法を持った大家たちなのである。
声のデカさは全く無力。
妄想癖の経営は破れ、現実に基いて優良な経営をしている大家が勝つのだ。
この点、分かり易く、痛快、資本主義の美点であろう。
ま、滅びる大家は大東亜建託(仮名)とかカボチャの馬車(実名)とか、ゴリラ営業マンみたいなやつが甘い言葉で勧誘してきて、業者がオーナーを食い物にする場合なのであって、自ら勉強して頑張ってる大家がやられる例はほとんど見ない。
かくして、小は大に呑まれ、弱は強に制せられ、群雄割拠の時代は終焉を迎える訳でありますが、ここで大家業の経営手法は大きく二つのやり方に、ほとんど統一されてしまったのであります。
一つは、土地建物の担保評価が高い物件を選び、銀行から数千万~億単位でお金を借りて賃貸で回して行く薄利多売の方法である。上手いことやれば買うほどに担保評価が上がり、更に銀行からカネ借りられる。
二つ目は、物件価格がとにかく安い木造ゴミ物件を現金で買い、根性のDIYで再生して、賃貸に出す。無借金と高収益が鍵であり、手数料や利息、税金などの中間費が極端に安く、家賃が手元に残る。
前者の開祖は、『光速投資法』を提唱した今田信宏さんという方だ、とされている。
(※僕個人的には金森重樹さんだと思っているが、その話はあんま関係無いか)
後者の開祖は、『激安アパート経営』を開発した加藤ひろゆきさん。
もちろん、他にも色々と大家業のスタイルはあるんだけれど、だいたいがこの両者の折衷ないし良いとこ取りみたいな方法に落ち着いてる。
銀行融資で土地から仕入れてマンション新築して4~5年で売るとか、築古マンションを一棟買いして入居付け頑張って満室にして売るとか、大家さんはそれぞれ色んなやり方で賃貸および不動産経営をやってるって訳だ。
実際、大家の数で言ってもこれらの中間型が圧倒的な多数派で、原理主義的に極端な手法でやってる人は、実は少ないのである。
(※僕みたいなDIY系は傍流も傍流で、加藤さんの方向性を更に過激に強化したものだから、それで大家やってるって人は10人ぐらいしか知らない。僕はDIYだけど、何か一つマニアックに突き詰めてると、メガ大家と並んでも引け目を感じず楽しく酒飲んで不動産談義が出来る)
言い換えれば、どちらのやり方もある程度は分かってる必要がある。
格闘技で言うと、投げ系と打撃系とどっちが強いですか?みたいな話。
ルール無用の試合なら、どっちも知っていないとダメで、知ってる上で自分の得意の土俵に敵を引きずり込まんと勝てん、と言うこと。
銀行融資引く手法は、銀行のカネの流れが止まれば手も足も出ない。
銀行融資が閉まってる時はやりたくても出来ない手法だし、勤め人の属性が高くなおかつ勤続年数が長くないと、銀行から門前払いを食らう。
一方、ボロ物件の方は、物件が安い地域じゃないと出来ない。東京や、東海・北陸など、土地値が高い場所では全く不向きだ。
自分で大工道具持ってリフォームするとか、身体動かすのが嫌いな人にもまるで不向きだし。
合わない手法をやろうとしても、むしろ手法から選ばれなくて弾かれるから、あんま心配しなくていいのかもしれない。
(※この点、女と一緒。女から弾かれるが如く、手法の側からダメを食らう)
大家のセミナーに行くとよく居るんだわ。
東京のド真ん中に住んでてしかも車も持ってないのに、ボロ物件手法をやりたいって言う寝ぼけた女性とか、年収300万円の非正規雇用で貯金もゼロってアホな男が銀行融資でオーバーローン引いて物件買いたいとか、そう言う向いてないやり方に拘る人は万年大家志望のままずっと物件買えずに消えて行く訳だな。
話はズレたけど、両者の手法は長い淘汰の歴史を耐えて残って来た物なので、優劣は付けられないのだ。
どっちが優れてるとか劣ってるの問題じゃない。
天地人の運行によって、適した方法を選ぶ事が肝要である。
天、すなわちタイミング。銀行融資とか好景気不景気の波。
地、すなわち住んでる場所。土地の値段の高い安い。
人、すなわちチーム。物件の仕入れ先、管理会社、賃貸仲介、リフォーム、
結論。どっちも確立された流派なので、自分が好きなやり方を自信持ってやって行ったらええ。知らんけど。
をはり。