Published: 2025年12月11日
女の話がずっと続いていたが、今日の質問はカネの話である。
お答えできる範囲で答えて行こう。
分散投資の利益率の低さに限界を感じ、プライベートエクイティのような集中投資または自営業を模索している者として、いつも興味深く拝見させていただいております。これからお話される予定かもしれませんが、そもそも(不動産の次として)農園に注目された理由があればご教示いただければ幸いです。
— 草介 (@stndbym3) 2017年7月24日
勤め人の身分にあるほとんどの人は、もっとお金があったらなあ、と恋い焦がれながら暮らしている。
勤め人をやって貰える給料と言うのは、労働力を再生産するための必要経費がご主人様から支給されているに過ぎない。ゆえに、飯食って寝て、少しばかりストレス解消したら、余分なお金は残らない仕組みになっているのだ。
飢え死にしない保証はありながら、余分な贅沢もまた絶対に許されないのが宿命である。生かさず殺さずの家畜とはこの事。
故に、勤め人にとって、労働の対価から切り離されたお金、すなわち給料の外からの収入というのは、まばゆくて仕方がない存在となる。
理由は、日々の労働力を回復させる必要経費とは違うコト、それは純粋な贅沢や娯楽や消費、にお金が遣えるからだ。平素は、我慢しては諦めてきた消費を、我慢しなくて良い。まさしく勤め人の夢である。
ちなみに『貯金』という行為は、ご主人様から貰った回復のための経費よりも更に生活費を圧縮し節約をして、初めて現実化する。勤め人の血と汗と涙の結晶である。パァーっと遣う事なんか出来ない。
「あぶく銭が欲しい」
と誰もが思うが、その場合最も知能に劣る人々が考えるのが、何と言っても『宝くじ』であろう。
一攫千金を夢見るのは、労働から切り離された大金が勤め人の境遇にあえぐ人々にとって余りにも輝いて見えるからである。(控除率うんぬんの話はここではすまい)
つづいてパチスロ、競馬、その他ギャンブルと言う具合に、その人の知能から発揮される興味関心の序列に応じて対象は変遷して行き、若干智恵が回る人間になると、『投資』に興味を持つようになる。
株、為替、相場の本質は博打である。相場の地道な研究を進めて行くだけの粘り強さと知能のある人は、ある日『博打を出し抜くことは人を出し抜くことだ』という事に気づいてしまうのだが、すると『投資』は退屈極まりない作業へと堕する。
しかも、大して収益を産まないんだ、これが。
質問者の方は、ここに気がついておられる段階だと思った。相場を見る目は既に醒めてる。これは良い事だと思う。
更に創造的な人は、宝くじも競馬も相場もやらない。商品を産み出し、ビジネスモデルを作って、商売を始める。人生そのものが賭けだから、博打には興味なくなる。(※ギャンブルやる人って結局は安定志向なんだよな。ビビリで安定が好きなくせに俺は刺激を求めてるぜって顔してる。)
商売が一番儲かるし、頭も要るし、楽しいし。収入は労働と結びつかないものだから、売れれば贅沢な暮らしが出来る。
難点は、事業を興すに必要な知識や思考法が、国民のほとんどは暗愚である事を前提とする国家の過保護によって厳しく隠蔽されている事だが、それが良い具合に足切りになってもいる。
自ら気付かぬ者に事業やる資格無し、と。
僕の場合は、国家の洗脳を逃れて商売に生きんとする才覚はあったらしいが、その階級内ではやや創造力に欠ける人間だという自覚もあったため、商品に不動産を選んだ。
経営上の差別化ポイントは、自分みずからの労働力投入による徹底した経費削減である。我慢の経営であるゆえに超手堅い。が、基盤が出来上がるごとに楽になって行った。
家賃収入は手に入れてみればガチに労働対価外のカネで、労働力回復の経費とは別個のカネだから、財務収支が強烈に好転する事となった。
あれほどキツかった貯金が、全然苦じゃない。
余談だが、質問者様から伝わる落ち着いた感じだと、不動産経営はイケそうな感じはするかな。
生活水準を思い切り落とし、適切な師匠について、主体的に勉強と工夫を続けた上で不動産をやって行けば、5年で金持ち、10年で勤め人卒業コースはまあ固いであろう。度胸次第だけど。
僕も自分は不動産の道に邁進するものと思っていた。働かないで生きて行ける基盤をしっかり作り、勤め人を卒業して以降は自分がやりたい事をする。
やりたい事も既にハッキリしていた。
某アウトドア趣味である。
それは、基本的に冬のアクティビティである。ゆえに夏は暇だ。
「ぶどうの観光農園とか、聞くところによると仕事は夏に集中していてオフシーズンは比較的暇らしい。それならば、冬はアウトドア、夏は農家、そう言う生活設計をするのも悪くないな」
夏に期間限定の仕事をして、そこから現金収入が得られれば、不動産事業もさほど規模を拡大しなくても済む。勤め人卒業が早まるということだ。
そんな感じのボンヤリした構想は実は勤め人卒業を志した直後ぐらいからあった。
僕の生まれ持った嗜好は、都会生活が嫌いな事と、金儲けに汲々としたくはない事で、これはマジで自己矛盾しているし自分の限界はその辺にありそうだと見切ってもいる事だ。
ま、この点については自分を変えようとは思わない。金儲けに一生を費やす生き方はどうしても僕にはできそうにない。自然の中で、バカな事して生きて行きたい。
今や日本中インターネットがあるし、Amazonで買い物も出来るし、田舎暮らしのデメリットなんかほとんど無いと思っている。
1年半ほど昔、まさに不動産事業に勢いが付いてきて、これから頑張るぞ!と言う時に、僕は転勤になった。仕事は適当にやってるので、会社から便利使いされるのも仕方がない事である。
不動産は土地土地によって向いている手法がぜんぜん違う。
僕が得意なのはどちらかと言うと田舎の手法だ。土地値が安く、不動産も余り気味で、人口密度が薄い地域で真価が発揮される。
今、僕が住んでいる地域は田舎のくせに土地値が高く、不動産全体が高いのに家賃は安い、と言う地獄の地域だ。こう言う地域は昔ながらのお金持ちが多い産業が豊かな土地である。
ポッと出の僕に入り込むスキマは無かった。不動産の扉は閉じた。
しかし、一つの扉が閉じれば、別の扉が開くもの。
転勤の間際、不動産経由で観光農園の若社長と知り合っていたのだ。運命を感じた。
「アウトドア趣味に生きると決めていて、夏は観光農園、冬はアウトドア、で生きて行きたい。そのためにこうして不動産を買ってる」
と熱意を持ってビジョンを語ったら、弟子入りさせてくれる事となった。
ボンヤリとぶどうの観光農園志望だったのが、しっかりとサクランボの観光農園に計画が固まった。驚いたのはサクランボの収益性の高さと、特殊なノウハウによる参入障壁の高さである。
「これなら間違いなく暮らしていけるわ。さっさと勤め人卒業して田舎に移住しよ」
と思ったって次第。
独立後の暮らしが安定したら、また不動産の方も増やしていく予定である。
ちなみに最強のプライベート・エクイティと言うのは、僕みたいに事業計画が固いやつが、資金を募った時にドーンと出資する事だと思う。だが、事業の見通しが固いと言うのは本人が一番よく知ってる訳で、そうなると資本金を他人に握らせるメリットはあんまり無い。
投資にはそうそうチャンスなんかあらへんて。自分で事業興すのがええです。おカネ余ってる今日、良い事業計画を描ければみんな投資してくれますわ。
をはり。