Published: 2025年11月13日
ちなみにこれ、リアルの奴から質問を受けた。
「その質問をしてる時点で、お前には才能ないから真面目に勤め人やりなさい」
と返してやった。
「ウス!承知しました!」
と返って来た。こいつ分かってんのかな?と思って、オイ!と呼び止めて、
「職場で二度と副業の話すんじゃねえぞ」
と釘を刺しておいた。
「ウス!承知しました!」
と言っていた。
今を去ること1ヶ月前、この4月から、突如として職場に社会階層が違うなーって奴が一人紛れ込んできた。困惑の現象を昇華し、この記事にする。
僕の勤め人の職場は、まあ言ってみれば高学歴ゆるふわホワイト企業である。既得権益をみんなで仲良く貪り食いながら、社員同士は馴れ合っている。
今日び珍しい天国みたいな職場だ。
ここに何を間違ったのか、ガチのFラン大学出が紛れ込んで来た。
僕も初めて見る人種である。だらしない佇まいで、とりあえず非モテなのはすぐ分かった。
女たちは更に鋭敏である。
わずか2週間で女性社員らが無視し始める。
「あいつキモい、マジ無理」
と。
ふむ。
僕もあまり意識することは無かったが、問題の彼は、
「何でも本音で一直線に思った事を言うのが正しい」
と言うのを流儀としているらしい。
こいつは馬鹿だなー、と思った。
職場では本音をひた隠し、皆の馴れ合いが円滑に進むよう、思ってもみない事を演技するのが肝心である。
会社は舞台だ。スーツは勤め人の作業着であると同時に衣装。自分を偽るための仮面なのである。
言葉の端々はもちろん、顔色まで高度にコントロールしてこそ一流の勤め人芸であり、これが出来て初めて、超速で仕事片付けて家に帰れるのである。
つまり、
「平和に馴れ合いを続けて行きたい、なのでお互いの仕事にゴチャゴチャ言うのは止めような」
と言う不文律を理解する事がその第一歩である。
これは、職場の空気を読むしかない。読解力の試験である。
Fランの彼は、「俺はそう言うの分からないんで」と言う感じで、微妙な空気で成り立つ不文律を踏み潰して回っている。
僕も当初は、おお!いいね!いいね!と、思って生暖かく眺めていた。
だが、この彼は僅か1ヶ月であっと言う間に職場で孤立し、女たちから嫌われ、誰も仕事を教えようとしなくなり、もう辞めるのも時間の問題だろうなあ、と言う状況である。
本人は、訳が分からない様子だ。
居なくなる前に、と思って、ちょっと話を聞いてみた。
中学の時に入ったある運動部では、いきなり監督に嫌われて、ずっとグラウンドで立たされていた。1週間毎日立たされて、それでも帰らないでいると、今度は草むしりをさせられた。
「は?それ、何で帰らないの?俺なら2分立たされたらすぐ帰るよ?1週間も立ってて、時間もったいなくないか?」
「いやー訳が分からないッスよ」
との事であった。僕のほうが訳が分からない。
自分に才能があると思ってたから耐えてたんか?そのスポーツでは結局一流になれるとこまで行ったん?
「いやー試合に出た事も無いッスね」
との事だ。
『意味を考える』
という事が出来ない奴らしい。根本的に頭の回転が鈍いのだ。常に動物反射的に生きてきたのである。大学時代はパチスロしてタバコ吸ってただけで何もしてない、と、それが素晴らしい事であるかのように、誇らしげに言っていた。
ここまでの奴とは僕も今まで接点が無かったので結構新鮮だった。
『仕事の意味』という話になり、僕は不動産を買って自由になるためのタネ銭だ、と答えた。馬鹿はストレートに言わないと分からないからだ。
すると、
「オレも副業で生きて行きたいんスよねー!雇われはやってらんないッスよー!」
と、目を輝かせて反応するのである。
ああ、こいつ馬鹿だわ、どうしようもないわ、と思った。
僕は自分の心の扉が音を立てて閉まるのをハッキリと感じた。
ここで冒頭の、
「マイナンバーってどうするんスか?副業バレたら恐いんじゃないんスか?オレにも副業教えてくださいよー」
である。ご案内の通り、お前には無理だから真面目に勤め人やれやクソ野郎、と冷たく言い放って終わり。こいつはもって半年だろうな、と。
階層が違う人間同士の接触はお互い不幸なことである。
最後にマイナンバーの話ね。自分で情報を集めて、自分でリスク・リターンを計算して、自己責任で実行。もし問題が起こったら自分で自分のケツを拭く。
そういう事だと思う。