Published: 2026年2月18日
平穏に勤め人生活をして居ると、時として宇宙からやって来た怪しい営業マンが、
「経費を作って所得を圧縮して節税しましょう!」
などと言い、新築のワンルームマンション投資を勧めてくる事がある。
これについて少しばかり解説したい。
営業マンの言う経費のハコとは個人の不動産所得である。
法人経費では無い。
実を言うと、不動産所得というのは非常に一般的な所得なのである。
相続税対策で親からアパート持たされてるとか、マイホーム買ったけど転勤になったから賃貸で貸してる、とか、普通に勤め人やってる範囲の事情で不動産所得は発生する。
けっこう一般的な所得であるためか、国家は個人のまま、給与所得とは別箱で、不動産所得という名目のハコを最初から用意してくれて居るのだ。
不動産の家賃収入というのはある意味、ハナから勤め人に開かれた副収入なのだ、と見えなくも無い。
宇宙から来た営業マンの勧めるワンルームマンション投資とは、この勤め人の個人・不動産所得のハコに大赤字を作って、確定申告をして給与所得と合算し、所得を減らして税金・社会保険料を減額できる、と言うスキームである。
「経費を作って節税です、本当に税金が減るんです!」
命賭けるぐらいの勢いである。
自らの優秀を自負し、プライドが高いけど本質的に頭が弱い勤め人は、なぜだかこの誘い文句から知的な響きが感ぜられるためなのか、ホイと乗ってしまうものらしい。(そして、実際に怪しい営業マンが描いて見せた魔法の筋書きどおり、確かに2月に確定申告をすると所得税は減り、4月に還付金を受け取る事ができる。頭の弱い人は、実質の数字の動きを追うのではなく、還付金をもらった事だけで大喜びなのである。)
僕の言う経費とは、まるで意味合いが違う。
マンションワンルーム投資は、赤字になれば何でもいいとばかり、ただ単に減価償却と借り入れ金利で赤字を作る事が第一義の目的になって居る。
不動産経営の第一の目的は儲ける事だ。言うまでも無い。
だが、営業マンの提案は、損失を出す事だと言う。アホじゃねえかと僕は言いたい。
新築で3000万円するような新築のワンルームを買って、30年も大ローン組んで、減価償却費用を赤字にして節税するのだと言うが、その赤字には何の意味もない。
将来のための学びが無い。
空室が出たら給料からローン支払いしてガッツリ持ち出しになって大損となる危険もある。
(※まさにうちのオヤジのやった失敗。オヤジは自分で不動産屋を回って入居者つけると言う動きが想像すらできず、親戚からお金を借りて残債を一括返済し、それが流れに流れて今は僕の管理物件になっている)
自分の大好きな事業の経費でなければ、赤字が出てもストレス解消を兼ねられず、本当の死に銭になる。無駄な事だ。
「赤字を作って節税」
と言っても、生き銭の赤字と、死に銭の赤字では全く違うと言う事には是非とも留意しておきたいものである。
どんな儲け話でもそうだけど、熱心な営業マンが手取り足取りやり方を教えるだとか、面倒な手間は一切不要ですだとか、勉強は不要です、難しい事は無しです、そう言う話はまず疑ってかかった方が良い。
(※僕も金融業でそう言う詐欺みたいな仕事してたので)
3000万円投資して、家賃はサブリースで月7万円保証、みたいな話なんよ。
満室想定利回りは2.8%で、でも銀行預金より良いですよね?やらない方が勿体無いですよね?とかアホみたいなことを言って勧誘する。(※固定資産税や修繕積立金などの話は意図的に伏せておく、詐害まがい系営業の仕事の基本中の基本である)
新築ワンルームマンションなんか、赤字出すことが目的の価値ない物件(いわゆる負動産)だから、買った瞬間に市場評価額が2200万円ぐらいまで落ちるしな。
儲かるのは業者だけだ。
ちなみに、僕がやるような不動産賃貸業は、300万円で物件買って家賃月7万ぐらいを目指してる。
実際、自分で買って賃貸で回してる物件たちは全部そんな感じだ。
表面の利回りでだいたい20%〜30%ぐらい出ないと、儲かるって感じにはならないと思うけど、どうなんだろう。
損するのが目的になってる人にはどうだって良いんだった。
僕にはまるで理解出来ないけどな。