Published: 2025年10月26日
読者の方からのご質問である。
ありがたいことだ。
例によって、当ブログではもう少し先に登場する内容ではあるが、こう言ったものは忘れてしまうのが宿命、思い付いたその時に回答しておきたい。
「巨大なフリマの中で、誰かが欲しがってくれるような、交換に値するような、魅力のある商品を作るのである。」わかっちゃいるけど具体案が何一つ思いつかないのは、勤め人だからか、気付いていないだけか、そんな簡単に見つかるものではないのか、これら全部なのか。。 https://t.co/CG0Ddy4Szy
— 城山 (@yamashirojohzan) 2017年3月9日
先日、こんな記事を書いた。
商品経済の中で、お金でセックスが買えるか?と言う問題について解説を試みた。
このご質問をしてくれた読者の方は先刻お見通しである如く、セックスは別に趣旨ではなくて、単に取ってつけた様なタイトルを仕込んだ事を白状せねばならぬのであるが、これを書いた僕の本意は、商品の交換経済についての解説であった。
勤め人を卒業する目標であるとか、街に出てナンパするための時間と金を用意するには、まず、勤めで一日に定時8時間勤務にサビ残8時間、計16時間働かされている様だと全く無理な相談だ。
今より余裕のある暮らしをせねばならぬのであれば、何かプラスαで商品(あるいはサービス)を持たいないといけない。
「商品を作れと言うのは分かったけど、何を作ればいいか分からない」
との言い分である。
「具体案が何一つ思いつかないのは、勤め人だからか、気付いていないだけか、そんな簡単に見つかるものではないのか、これら全部なのか」
との事である。
なるほど。
これは言葉を換えると、何なら売れるのか分からない、と言う事だろう。
「そんなもん、売ってみないと分からん、ガタガタ言わずにとにかく試してみろ!即行動!即実践!」
と、言ってしまえば早い話だが、それは既に事業家としての思考法が板についた人だから言える事柄であって、勤め人の思想に性根まで腐り付いている人に投げつける言葉としては、気の毒な話である。
まずは、こう考えてみてはいかがだろうか?
自分が何にお金を使っているのか?
勤め人であろうと、否、勤め人であるからこそ、現代社会の商品フリマの中で、お金を媒介にして生活に必要な物を買わないと、全く命を維持してゆく事は出来ない。
勤め人は必ず買い物をする。もう間違いなくね。
自分は何を買うか?を逐一追っていくのである。
まず第一に、勤め人は労働者として明日も元気に朝から仕事に出られる様に、労働力回復アイテムを買う。
メシ、飲み物、風呂、トイレ、衣服、歯ブラシ、ふとん、枕、家具家電、etc、etc、etc、、、
ここの領域には汲めども汲めども絶対に尽きることのない無限の市場がある。もし仮に自分の商品で何らかのシェアが取れたら、絶対に食いっぱぐれる事は無い。もう、絶対に、大丈夫。
しかし、余りにも市場が魅力的過ぎる故に、激戦区でもある。歯ブラシ一本、ヘアワックスひとつを取ってみても、巨大資本を持つ国際企業が、命がけで死闘を繰り広げる戦場である。
大企業だけでなくネズミ講まがいのクソ虫どもも寄ってくるほどだ。
ここでキーワードになるのは、大資本と小資本。
成熟し洗練された生活物資の市場は、大工場と大営業部隊を持つ超巨大企業が隅々まで支配していて、勤め人の副業レベルで切り込むスキマは、なかなか無い。
そう、なので、我々が作る商品と言うのは、小資本で作れるものという制約が付く。
続いて、勤め人が買う物の第二カテゴリは、自分がご主人様に売っている労働力の単価を向上させるための勉強などの出費。
僕は、勤め人としての自分の価値を向上させるために時間や金を割くつもりは一切皆無なので、この分野での支出はゼロだ。
だが、世の中には資格を取って月の給料を2000円アップさせるために、英会話スクールに行ったりする(僕には全く不可解な)人がたくさん居る。
この分野の支出に詳しければ、自分なら欲しくなるような商品を考えてみると良い。やはり小資本で作れる商品という縛りはあるが、生活物資よりも参入の余地は大きいはずだ。
勤め人の支出の第三が、労働者の再生産。つまり恋愛とセックスと子作りだ。
ここにも尽きることのない需要があると思う。イカ臭い話になるので、詳しくは解説しない。
自分なら買う!とか、自分は欲しいけど売ってない!とか、そう言うものを作ると良い。
ヒントは過去の自分がこれまでにたくさんお金を注ぎ込んだもの。答えはきっとその周辺にある。だって自分は買うんだもの。
中古品ビジネスを始めとして、構造的に収益が出やすい商売(業態)と言うのもあるが、まあまずは、儲けから入るよりも自分が欲しいものだったり、作るのが楽しい商品(サービス)に注目すると良い。
商売において儲けから入ると辛いと言うのは絶対不滅の掟である。
その理由を完璧に説明してくれるのが、まさしく勤め人稼業であり、勤め人と言う商売は儲かるからやる典型的な商売だと思う。
やはり、みんな嫌々やってる。
なので、儲かるからやるとか、数字数字!目標目標!って言ってる人は、その実、勤め人よりも勤め人的な人種であって、話に中身が無くて、人にはそれぞれ生き方があるとは思うけど、僕はそういう奴あんま好きじゃないなあって事を付記しておく。
をはり。