Published: 2025年11月25日
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『人の労働力』と言う資源こそが、この資本主義世界の富の源泉であるとは折に触れて述べている。
お金の正体は、労働力だ。
故に、
「クリリンを生き返らせてください」
と、お金にお願いしてもそれは無理な願いである。
お金は、人の労働力から生まれたものであるから、人の労働力を超える願いは叶わぬのである。
逆を言えば、人の労働力で何とかなる願いは、金で全部何とかなる。
金融機関勤務でボロボロになってスピンアウトした僕は、勤め人というシステムに絶望し、自分の商品を持とう、商品を作るための生産設備を持とうと青雲の志を抱いた訳だが、まずは大きな手元現金で一発ヅモアガリを狙うコースは諦めた。
金が無いから。
FXで大金稼いだり芸人で一発当てた人の様に、現金に物を言わせて資本を買う計画はあり得ない、と。
「自分には労働力しかないから、労働力で何とかしよう」
そういう風に、腹を括った。
人の労働力には物凄い価値がある。全ての事業家たちが欲してやまない富の源泉だからだ。
僕はブラック企業からゆるふわ業界に転身し、土日はしっかり休める身分となった。平日も夜遅く限界まで働かされる事はなく、心身は随分と楽になった。
丸々自由になることとなった土日(衝撃!)を、労働力として自分の事業に活用しようと考えたのである。
充実した生産設備を持たねばならん。だが金は無い。自分の労働力で生産設備を作ってしまおう、となった。
ボロ不動産を自力で修理して物件価値を向上させる作戦に絞ることにした。
故に物件の選定ポイントは一つである。
自分の労働力でどこまで物件価値を上げられるか?
伸び代のある物件を狙うのである。労働力を割いて、帳簿上の空想の含み益(資産価値)がどれだけ伸びそうか?だけを考える。
手元現金が乏しいのだから必然的にそう言うやり方になる。基本は全部手作りだ。
不動産には色々なやり方があって、銀行融資を駆使して新築物件を次々に建てて行く投資家や、地域密着で人脈を作り市場に出る前の激安物件を狙う投資家など様々である。
ひたすら利回りを重視し収益により全てのリスクをヘッジする手法があれば、融資戦略のための銀行の担保評価を重視する方法もあるし、資産性を重視し客付けの良さや手離れの良さを大事にする流派もあり、やり方は色々ある。
不動産事業は関係者全員が大家をカモろうとしてくる。
銀行、建売業者、仲介業者、リフォーム業者、管理会社、関係各位が大家にスキあらばカモりに来る訳だが、上手い人は知識と勇気によりこの収奪を一切受けない人だ。手法は何であれ、カモられないなら儲けが出るし、上手な投資家である。
下手な人はこの逆で、不勉強によって業者からサンザンに毟られる。カモられてる事にも気づかない。
92万円のボロ区分の修繕を成し遂げた後、僕は月に28,000円の収入増と、帳簿上の『空想のカネ』の含み益186万円をゲットしたが、生活ぶりは全く変わらなかった。相変わらずの素寒貧だ。
この後、ちょっとしたチャンスを掴むことになるとは思いもよらない。
つづく。